マンスリーマンションは、一般賃貸に比べると公共料金の利用料等を含めたとしてもどうしても格安になってしまいます。しかし、ホテルの利用料に比べるとその料金は半額程になり、ならば「旅行の滞在先」として有効なのではないかという考えもできるのです。では実際、格安の旅行の手助けになるのかについて検証してみたいと思います。
▲旅行とマンスリーマンション
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マンスリーマンションの設備について
マンスリーマンションは、最低限の身の回りの物品さえ持ち込めばしばらく生活していくのに不便しない、最低限の生活設備が整っています。この点、ホテルに近い性質を持っています。通常、身一つで空家に入っても、雨風をしのげるだけで生活には困ることになります。一方、ホテルはあらゆる生活に必要な物品が揃っており、食べ物さえあれば生活に困ることはないでしょう。電気や水道も完備、贅沢さえ言わなければそれ以外の物品に関して買い揃える必要は無く、身一つでの遠方での滞在に適しています。マンスリーマンションはホテルに近い性質を持っており、身一つで暮らしていくのに不便はありません。
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マンスリーマンションの旅行先の滞在拠点としての有効性
さて、皆さんは旅行先にどのようなものを持っていくでしょうか?カメラや旅行雑誌など、観光を満喫するための道具や、ある程度の期間を滞在に費やすことを考えれば着替えも用意することでしょう。しかし、寝具や調理器具といった生活において必要不可欠なものを旅行にもって行く人はいるでしょうか?それは旅行ではなく「アウトドア」でしょう。旅行において持っていくものの中で、生活に必要なものといえば「着替え」くらいで、カメラや雑誌、地図などは生活のために必要なものではありません。
そうなると、生活していくうえで必要なものは滞在先で調達しなければなりません。そのため、基本的に旅行中の拠点としてはホテルや旅館などを利用するのです。また、これらは簡単な手続きだけで利用できるというメリットもあり、最近ではインターネットだけで予約が完了するという手軽さもあります。
マンスリーマンションでは、食器や調理器具を除き、寝具、テレビ、空調設備、最低限の消耗品などが揃っているため、食べ物さえあれば生きていくのに不自由しないでしょう。食べ物は買えば良いのですから、マンスリーマンションは旅行の拠点としての適性を持ち合わせていることになります。
▲マンスリーマンションを旅費として考える
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ホテルよりも格安の利用料
では、ホテルよりもマンスリーマンションが優れている点は何か、その最大のポイントは「お金」です。安いビジネスホテルでも1泊あたり5000円はするでしょうし、都心となるとさらに料金は高くなります。何泊も滞在することを考えると、その料金は莫大な金額に膨れ上がることでしょう。仮に1ヶ月の滞在だと、1泊5000円でも15万円という、決して安いとは言えない金額を消費することになります。
それに対して、マンスリーマンションは安いところであれば3000円台もしくはそれ以下で利用できるところもあります。簡単に言えば、ホテルに比べて滞在費が半額で済むという計算になるのです。仮に1日あたり3000円で利用できるとすれば、30日間の滞在費は9万円であり、ホテルよりも大幅に滞在費を浮かせることができます。この点、一般賃貸はさらに安上がりになりますが、一般賃貸は契約するまでに面倒な手続きが多く、敷金礼金や保証金なども踏まえると決して安くなりません。旅行という一時的な生活拠点として利用するのには適さないのです。つまり、理論上はマンスリーマンションが最も「旅行中の滞在拠点」としてお得な方法であると言えるのです。
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長期滞在を考えるのであればお得だが…
しかし、これはあくまでも「理論上」であり、場合によっては現実的な方法としては使えないと言えます。と言うのも、これはあくまでも「長期間の滞在」であることを前提としているので、旅行という比較的短期間の滞在においては実用的であるとは言えないのです。世界一周のように長距離を移動するような旅行ではない、しかも生活の拠点を1箇所に限定できるという条件では、そこまで広い場所を回ることもなく、あまり長い期間の滞在は考えていないでしょう。そうなると、その「滞在期間」がネックになるのです。マンスリーマンションは、業者によっては1ヶ月未満での利用ができないことがあります。その場合、1ヶ月あたりの料金を日数で割ると確かにホテルよりも格安になるのですが、あくまでも1ヶ月分の料金を支払うことになるので1ヶ月未満だと1日あたりの利用料は割高になるのです。例えば、前述のとおり1日あたりの利用料が5000円のホテルと1ヶ月9万円のマンスリーマンションがあるとすると、9万円÷5000円=18日で1日あたりの利用料の損得の分岐点があるので、それ以下の滞在日数の場合はホテルの方が割安になるのです。利用できる単位(1日・1週間・1ヶ月)については業者ごとに異なります。手放しに「マンスリーマンションの方が安い」とは言えず、実際に支払う金額を計算した上でホテルとどちらが安いのかを確認する必要があります。